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ジペプチド合成酵素の基質特異性改変 (担当: 清野)

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 アミノ酸同士が重合することによって単体のアミノ酸にはなかった特性が得られることがあります。例えば、人工甘味料としてすでに市販されているAsp-Phe-OMeや、塩味増強の生理活性をもつことが報告されているMet-Glyなど、有用なペプチドは医療や食品、化粧品などさまざまな分野で役に立つ可能性を秘めています。私はアミノ酸同士を重合させる酵素であるL-アミノ酸リガーゼについての研究を行っています。L-アミノ酸リガーゼは20種類以上ありますが、酸性アミノ酸を基質として認識できるものはまだ見つかっていません。しかし、有用ペプチドの中には酸性アミノ酸を含むものもあるので、L-アミノ酸リガーゼの基質特異性を改変することによって酸性アミノ酸を基質として認識させることを目標としています。様々なアミノ酸を組み合わせて血圧降下作用や鎮痛作用、人工甘味料などの人類に役立つ生理活性物質の合成に繋げたいです。


ジペプチド合成酵素の反応機構の解明 (担当: 樋澤)

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 様々な生理活性を示すペプチドを生合成する際に、触媒として用いられるタンパク質であるアミノ酸リガーゼ。その内の一つであるL-アミノ酸リガーゼが当研究での研究対象となっています。ペプチドを研究する上でペプチドの大量合成法が必要となった今、L-アミノ酸リガーゼの存在はとても重要になっています。当研究ではこのL-アミノ酸リガーゼの反応機構の解明を最終目的としています。タンパク質の反応機構の解明方法としては、今までは解明したいタンパク質を結晶化して放射線の一種であるX線を当て、各原子の電子による散乱によって分子がどのような形をしているかを見出しました。しかしながら、X線では水素原子の位置特定が難しいため、水素の原子核との相互作用が比較的強い中性子を用いる取り組みを進めています。中性子を使うにはより良質で大きな結晶が必要となるため、今、私は様々な条件を変え中性子解析に用いるのに適切な結晶開発に勤しんでいます。


水素分解酵素がもつ有機金属クラスターの生合成機構の解明 (担当: 澤辺)

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 私が行っている研究は、水素の酸化還元に関与する酵素の成熟化に関係しているタンパク質についてです。初めに研究対象としている酵素はヒドロゲナーゼと呼ばれており、幾つかの種類があります。私の研究では、この中でニッケルと鉄からなるNiFe(CN)2(CO)を活性部位にもつ[NiFe]ヒドロゲナーゼを用いています。次に成熟化とは何かというと、タンパク質に金属錯体など入れ、触媒機能を発現させることです。この成熟化に関与しているタンパク質は6つほどありHyp タンパク質(HypA、-B、-C、-D、-E、-F)と呼ばれています。この6つのHypタンパク質でHypC、HypD、HypEが私の研究で重要なものです。 HypC、HypD、HypEはNiFe(CN)2(CO)の前駆体であるFe(CN)2(CO)の合成に関与しています。これらのHypタンパク質からFe(CN)2(CO)が合成されるメカニズムを観察するために、それぞれのタンパク質を精製し、精製したものから複合体を作成し結晶化、X線による構造解析を行っていきます。


 コラーゲンペプチドを基質とするプロリン水酸化酵素のX線結晶構造解析 (担当: 宗田)

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みなさんもよく知るコラーゲンは、一次構造(アミノ酸配列)で見るとGly-Xアミノ酸-Yアミノ酸という三アミノ酸配列が1000残基近く続く構造となっています(ここで、Xアミノ酸はPro、Yアミノ酸はHyp(ヒドロキシプロリン)というのが基本となっています)。このProとHypの出現頻度がコラーゲンの安定化に必要と考えられているのですが、プロリンtrans-4-水酸化酵素(P4H)はコラーゲンペプチドのプロリンを水酸化するので、コラーゲンの安定化に関与していると考えられます。高等生物由来のコラーゲンP4Hの立体構造はまだ部分的にしか明らかにされていないので、全長を含む結晶を調製し、X線を当てて構造を解析していくことが研究目的です。構造の解析ができたらその結果をもとに、物性やコラーゲンの水酸化が与えるメカニズムなどを調査し、安定性の高いコラーゲンを生成したいと考えています。安定性の高い人工的なコラーゲンは、人工的な皮膚、血管の組織、歯、骨などの形成に応用できると期待されます。


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